戦略

ストックオプション会計

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ストックオプション会計

ストック・オプションに関する会計処理の概要

近年、役員退職慰労金制度を廃止し、その代替策として1円S・Oを導入する企業が増加している。その狙いは企業価値の向上やガバナンスの強化など様々であるが、根底には役員に対するインセンティブの付与という考え方が存在する。
1円S・Oは権利行使価額が1円であることから、権利行使時の株価によらず1円で株を取得することが可能なスキームであり、権利行使時の株価と1円の差額が経済的利益となる。(一般的な制度設計では、経済的利益のうち付与日の株価から1円を控除した部分は、役務の提供に基づく報酬債権と相殺されるため、実質的な利益は権利行使日の株価から付与日の株価を控除した金額となる。※下図参照)
更に、将来の売却時に株価が上昇すれば売却益を得ることが可能となるため、1円S・Oは役員にとって『業績向上⇒企業価値の向上⇒株価の上昇⇒売却益増』といった好循環に対するインセンティブとなり得るのである。

ストック・オプションに関する会計処理の概要

さて、本題の会計処理であるが、現行の会計基準では、「(ストック・オプションの)付与に応じて企業が従業員等から取得するサービスは、その取得に応じて費用として計上し、対応する金額を、ストック・オプションの権利の行使又は失効が確定するまでの間、貸借対照表の純資産の部に新株予約権として計上する」としている。 ストックオプション会計
つまり、1円S・Oは役員が提供するサービス(役務)に対する報酬として付与されることから対価性が認められることとなり、通常の現金支給と同様に費用計上が必要とされている。
その費用計上額はS・Oの公正な評価額(評価単価×S・Oの数)のうち、対象勤務期間を基礎とする方法その他の合理的な方法に基づき当期に発生したと認められる額とされ、具体的にはS・Oの付与日における評価額をサービスの提供期間に配分(按分)して費用計上することとなる。
ここで重要となるのが、費用計上に必要となるS・Oの公正な評価額をどのように算定するのかであるが、算定方法としては大きく2つあり、①離散時間型モデル(二項モデル等)と②連続時間型モデル(ブラック・ショールズ式等)に大別される。算定方法の詳細は続編に譲ることとし、話しを会計処理に戻したい。

権利確定日前では、付与日から権利確定日までの勤務対象期間にわたって株式報酬費用を認識

新株発行のケース

仮に、満期までに権利行使されず、失効となった場合はその分を利益に戻し入れる。(1円S・O の場合には、通常失効は想定されない)
つまり、権利が失効した場合の仕訳は以下の通りとなる

権利が失効した場合の仕訳

近年、日本におけるストック・オプションの導入件数は順調に伸びており、株式報酬型ストック・オプションに限れば、直近5年間の導入件数の伸びは平均で20%を超えている。(公開情報を基に大和総研調べ)
これは市場におけるガバナンス上の要請と企業側の役員へのインセンティブの付与という思惑が一致しての数値とも言えるが、堅調な市場の後押しもあり、今後更なる伸びも予想される。 ストックオプション会計
ただし、ストック・オプションの導入を検討される際は、会計基準や税制の取扱いに留意が必要となるため、信頼できる専門機関に相談されることをお勧めしたい。

税制適格ストック・オプション|企業価値評価・算定のプルータス・コンサルティング公式サイト

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ソリューション

ストック・オプションとは何か

(ⅰ)付与対象者は発行会社及び100%子会社の役職員であること

(ⅱ)報酬であり、付与対象者に対して無償で発行されること

また発行するストック・オプションの行使条件においても、インセンティブとしての効果を上げるため、以下のような株価条件、業績条件や在籍条件を付加することも考慮されています。
● 一定の「株価」水準を達成していなければ行使できない。
● ストックオプション会計 一定の「利益」水準を達成していなければ行使できない。
● 継続的に発行会社に勤務していなければ行使できない。

様々なストック・オプションの発行パターン

➀ 無償構成と相殺構成

➁ 税制適格と税制非適格

プルータス・コンサルティングの強み

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ストック・オプションの会計処理(費用)を理解するための重要ポイント

ストック・オプション

ストック・オプションの会計処理(費用)を理解するための重要ポイント

ストック・オプション(SO)とは何なのか!?本質を理解する

ストック・オプションは費用で会計処理する(発行側)

ストック・オプションとは

ストック・オプション等に関する会計基準 2項
「ストック・オプション」とは、 自社株式オプション のうち、特に企業が その従業員等 (企業と雇用関係にある使用人のほか、企業の取締役、会計参与、監査役及び執行役並びにこれに準ずる者)に、 報酬 (企業が従業員等から受けた労働や業務執行等のサービスの対価として、従業員等に給付されるもの) として付与するもの をいう。

自社株式ではなく、 権利そのものを付与する と言っています。

取引の本質

等価交換という考え方

こういった例外を除けば、一般的には、我々は、支払ったお金に相当する価値のあるものを手に入れていることになります。同じ価値のあるものを交換しているため、これを、「 等価交換 」といいます。

(割と突っ込んで聞いてくるなぁ。ストレス溜まってんのかなぁ。)
確かにそういう考えもあるかもしれないが、給料をもとに測定してしまうと、以下のような懸念がある(私見)。なお、等価交換の考え方については異論が無いという前提。

①そもそもSOは毎月のお給料とは別に付与されるもので、意味づけや目的、計算ロジックが異なるはず(IFRS2.12参照)。
毎月のお給料は、SOとか関係なく企業と従業員等が1対1の相対取引で決めた約束で、その金額水準は客観的・公正でないかもしれない(他の会社で採用されたら、全然給料が違う人材かもしれない)。
また一般的に株式やオプションは通貨に比べてリスクが高いし、その価値を参照しないと、測定値が実態と大きく乖離するかもしれない②アメリカなんかだとSOの役員報酬に占める割合が大きいが、SO公正価値を計算した場合とそうでない場合で、報酬額に差が出てしまうと批判された歴史がある

新株予約権とは?会計処理やメリット・デメリットの解説

新株予約権とは?会計処理やメリット・デメリットの解説

税制適格ストックオプションとは、租税特別措置法の要件を満たした無償発行のストックオプションを指します。 税制適格ストックオプションは、税務上は有償発行のストックオプションと同じ取扱いになり、ストックオプションの権利行使時には課税は行われません。新株予約権者が、ストックオプションにより取得した株式を譲渡するときまで課税が繰り延べられます。この場合、ストックオプションの権利行使時に給与所得として課税が行われないため、発行側の法人は損金算入ができません。

新株予約権のメリット・デメリット

発行側のメリット

大型買収への抑止以外では、新株発行による株式の希薄化(株式数の増加により1株あたりの価値が下がること)を防止するメリットもあります。 公募増資と比べ、新株予約権は希薄化をコントロールしやすく、希薄化の影響を緩和できるためです。しかし、あくまで公募増資と比較したときの影響ですので、権利行使期間が満了を迎えるまでは、新株予約権の発行でも多少の希薄化のリスクは存在します。

取得側のメリット

新株予約権のメリットは、行使期間内であれば、新株予約権者の判断で権利を行使するかどうか判断できる点にあります。例えば、行使期間中に株価が上昇していれば、株価が十分に上がったと判断したタイミングで権利行使できます。

デメリット

発行側のデメリット

また、ストックオプションや新株予約権の割当を考える場合、付与や配分の対象をどうするか難しい点もデメリットとして挙げられるでしょう。割当や条件によっては、不公平感が生じてしまうためです。不公平感を緩和するには、割当の基準を明確にする必要があります。

取得側のデメリット

問題は、新株予約権を有償で取得したにもかかわらず、期待より株価が上がらなかった場合です。株価はさまざまな要因で変動しますので、行使価額を上回ることもあれば、大きく下回るリスクもあります。

【毎日簿記10分ドリル】第20回:ストック・オプション

〔資料Ⅰ〕
1.X1年3月の株主総会において,従業員80名に対して1名当たり20個のストック・オプションを付与することを決議し,同年4月1日に付与した。
2.権利確定日はX4年3月31日,権利行使期間はX4年4月1日~X6年3月31日,行使価格は53,000円である。
3.付与日におけるストック・オプションの公正な評価単価は,7,200円/個である。
4.付与日においては,X4年3月31日までに10名の退職による失効が見込まれた。

〔資料Ⅱ〕
1.X1年度の退職者は2名であった。
2.X2年度の退職者は1名であり,退職による失効の見込みを7名に変更した。
3.X3年度の退職者は3名であった。

〔資料Ⅲ〕
X3年3月の株主総会において,株式相場の変動を考慮し,同年4月1日に行使価格の条件変更を行うこととした。なお,条件変更日におけるストック・オプションの公正な評価単価は以下のとおりであった。
〈ケース1〉8,640円/個
〈ケース2〉6,480円/個

<ヒント>
問1および問2の各年度末における新株予約権のあるべき残高を次の計算式で求める。
公正な評価単価×ストック・オプション数÷対象勤務期間×当期末までの経過期間
(注)ストック・オプション数=付与数-失効見積数
問3は公正な評価単価が増加するため,付与日の7,200円については問2までと同様の計算を継続し,増加分について変更日から勤務対象期間で算定し,合算して仕訳を行うこと。
また,問4は公正な評価単価が減少するため,条件変更前の会計処理を継続することになる。

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