の収益源

一般的な取引ルール

一般的な取引ルール

流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針

1 流通・取引に関する慣行は,歴史的,社会的背景の中で形成されてきたものであり,世界の各国において様々な特色を持っているが,その在り方については,常に見直され,より良いものへと変化していくことが求められている。我が国の流通・取引慣行についても,経済活動のグローバル化や,技術革新等によって,日々目まぐるしく進展・変化してきている。このような状況において,事業者の創意工夫を発揮させ,消費者の利益が一層確保されるようにするためには,公正かつ自由な競争を促進し,市場メカニズムの機能を十分に発揮し得るようにしていくことが重要である。具体的には,[1]事業者の市場への自由な参入が妨げられず,[2]それぞれの事業者の取引先の選択が自由かつ自主的に行われ,[3]価格その他の取引条件の設定がそれぞれの事業者の自由かつ自主的な判断で行われ,また,[4]価格,品質,サービスを中心とした公正な手段による競争が行われることが必要である。
本指針は,我が国の流通・取引慣行について,どのような行為が,公正かつ自由な競争を妨げ,独占禁止法に違反するのかを具体的に明らかにすることによって,事業者及び事業者団体の独占禁止法違反行為の未然防止とその適切な活動の展開に役立てようとするものである。

2 本指針第1部は,部品メーカーと完成品メーカー,メーカーと卸売業者や小売業者といった,事業者間の取引における取引先事業者(特段の記載がない場合には直接又は間接の取引先事業者をいう。以下同じ。)の事業活動に対する制限に関して,第2部は,事業者による取引先の選択に関して,また,第3部は,国内市場全域を対象とする総代理店に関して,独占禁止法上の指針を示したものである。
本指針は,主として商品の取引について独占禁止法上の考え方を示したものであるが,役務の取引についてもその考え方は基本的には同様である。

3 本指針は,流通・取引慣行に関し,独占禁止法上問題となる主要な行為類型についてその考え方を示したものであるが,独占禁止法上問題となる行為はこれに限られるものではない。例えば,価格カルテル,供給量制限カルテル,購入数量カルテル,入札談合などは原則として独占禁止法に違反するものであることはいうまでもない。したがって,本指針に取り上げられていない行為が独占禁止法上問題となるかどうかは,同法の規定に照らして個別具体的に判断されるものである。

第1部 取引先事業者の事業活動に対する制限

1 対象範囲
(1) 一般的な取引ルール 事業者が,例えば,マーケティングの一環として,卸売業者や小売業者といった流通業者の販売価格,取扱商品,販売地域,取引先等に関与し,影響を及ぼす場合には,ブランド間競争(メーカー等の供給者間の競争及び異なるブランドの商品を取り扱う流通業者等の間の競争をいう。以下同じ。)やブランド内競争(同一ブランドの商品を取り扱う流通業者等の間の競争をいう。以下同じ。)を減少・消滅させる効果を生じることがある。
第1部では,事業者が,取引先事業者に対して行う,販売価格,取扱商品,販売地域,取引先等の制限及びリベートの供与について,不公正な取引方法に関する規制の観点から,独占禁止法上の考え方を明らかにしている(注1)。
Eコマースの発展・拡大に伴い,様々なビジネスモデルが創出され,事業者は,広告や流通経路などにおいて,インターネットの利用を活発に行っている。特に,インターネットを利用した取引は,実店舗における取引といった従来の取引方法と比べ,より広い地域や様々な顧客と取引することができるなど,事業者にとっても顧客にとっても有用な手段となっている。以下において,このようなインターネットを利用した取引か実店舗における取引かで基本的な考え方を異にするものではない。
また,ショッピングモール,オンラインマーケットプレイス,オンライン旅行予約サービス,家庭用ゲーム機など,消費者と商品を提供する事業者といった異なる二つ以上の利用者グループを組み合わせ,それぞれのグループの利用の程度が互いに影響を与え合うような,いわゆるプラットフォームを運営・提供する事業者(以下「プラットフォーム事業者」という。)による,当該プラットフォームを利用する事業者に対する行為についても,基本的な考え方を異にするものではない。

(2) 大規模小売業者と納入業者との関係などでみられるように,事業者間の取引において,自己の取引上の地位が相手方に優越している一方の当事者が,取引の相手方に対し,その地位を利用して,正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えることは,当該取引の相手方の自由かつ自主的な判断による取引を阻害するとともに,当該取引の相手方はその競争者との関係において競争上不利となる一方で,行為者はその競争者との関係において競争上有利となるおそれがあるものである。このような行為は,公正な競争を阻害するおそれがあることから,不公正な取引方法の一つである優越的地位の濫用として独占禁止法により規制される。具体的には,「優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」(平成22年11月30日)によって,その規制の考え方が明らかにされている。
このほか,不当廉売及びこれに関連する差別対価については,「不当廉売に関する独占禁止法上の考え方」(平成21年12月18日)等によって,その規制の考え方が明らかにされている(注1)。

2 垂直的制限行為が競争に及ぼす影響についての基本的な考え方

独占禁止法は,事業者が不公正な取引方法等の行為を行うことを禁止し,公正かつ自由な競争を促進することによって,一般消費者の利益を確保するとともに,国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的としている。
事業者が,取引先事業者の販売価格,取扱商品,販売地域,取引先等の制限を行う行為(以下「垂直的制限行為」といい,垂直的制限行為には,契約によって制限をする場合のほか,事業者が直接又は間接に要請することなどにより事実上制限する場合も含む(注2)。)は,その程度・態様等により,競争に様々な影響を及ぼす。
例えば,垂直的制限行為によって,事業者の創意工夫による事業活動を妨げたり,ブランド間競争やブランド内競争が減少・消滅したり,参入障壁が高くなって新規参入者を排除したり,消費者の商品選択が狭められたりといった競争を阻害する効果がもたらされる場合がある。
他方,垂直的制限行為によって,新商品の販売が促進されたり,新規参入が容易になったり,品質やサービスが向上するといった競争を促進する効果がもたらされる場合もある。
このように,垂直的制限行為は,競争に影響を及ぼす場合であっても,競争を阻害する効果を生じることもあれば,競争を促進する効果を生じることもある。
公正かつ自由な競争が促進されるためには,各取引段階において公正かつ自由な競争が確保されていることが必要であり,ブランド間競争とブランド内競争のいずれか一方が確保されていれば他方が失われたとしても実現できるというものではない。

3 一般的な取引ルール 垂直的制限行為に係る適法・違法性判断基準

垂直的制限行為には,再販売価格維持行為(詳細は後記第1参照)と,取引先事業者の取扱商品,販売地域,取引先等の制限を行う行為(以下「非価格制限行為」という。)がある。
再 販売価格維持行為は,流通業者間の価格競争を減少・消滅させることになるため,通常,競争阻害効果が大きく,原則として公正な競争を阻害するおそれのある行為である。
一方,非価格制限行為は,一般的に,その行為類型及び個別具体的なケースごとに市場の競争に与える影響が異なる。すなわち,非価格制限行為の中には,[1]行為類型のみから違法と判断されるのではなく,個々のケースに応じて,当該行為を行う事業者の市場における地位等から,「市場閉鎖効果が生じる場合」や,「価格維持効果が生じる場合」といった公正な競争を阻害するおそれがある場合に当たるか否かが判断されるもの及び[2]通常,価格競争を阻害するおそれがあり,当該行為を行う事業者の市場における地位を問わず,原則として公正な競争を阻害するおそれがあると判断されるものがある。
なお,複数の非価格制限行為が同時に行われている場合や再販売価格維持行為も併せて行われている場合に,ある非価格制限行為に公正な競争を阻害するおそれがあるかどうかを判断するに当たっては,同時に行われている他の非価格制限行為又は再販売価格維持行為による影響を踏まえて判断されることもある。

「市場閉鎖効果が生じる場合」とは,非価格制限行為により,新規参入者や既存の競争者にとって,代替的な取引先を容易に確保することができなくなり,事業活動に要する費用が引き上げられる,新規参入や新商品開発等の意欲が損なわれるといった,新規参入者や既存の競争者が排除される又はこれらの取引機会が減少するような状態をもたらすおそれが生じる場合をいう。 一般的な取引ルール
「市場閉鎖効果が生じる場合」に当たるかどうかは,上記 (1)の適法・違法性判断基準の考え方に従って判断することになる。例えば,このような制限を行う事業者の市場における地位が高いほど,そうでない場合と比較して,市場閉鎖効果が生じる可能性が高くなる。また,この判断に当たっては,他の事業者の行動も考慮の対象となる。例えば,複数の事業者がそれぞれ並行的にこのような制限を行う場合には,一事業者のみが行う場合と比べ市場全体として市場閉鎖効果が生じる可能性が高くなる。
なお,「市場閉鎖効果が生じる場合」に当たるかどうかの判断において,非価格制限行為により,具体的に上記のような状態が発生することを要するものではない。

「価格維持効果が生じる場合」とは,非価格制限行為により,当該行為の相手方とその競争者間の競争が妨げられ,当該行為の相手方がその意思で価格をある程度自由に左右し,当該商品の価格を維持し又は引き上げることができるような状態をもたらすおそれが生じる場合をいう。
「価格維持効果が生じる場合」に当たるかどうかは,上記(1)の適法・違法性判断基準の考え方に従って判断することになる。例えば,市場が寡占的であったり,ブランドごとの製品差別化が進んでいて,ブランド間競争が十分に機能しにくい状況の下で,市場における有力な事業者によって厳格な地域制限(後記第2の3(3)参照)が行われると,当該ブランドの商品を巡る価格競争が阻害され,価格維持効果が生じることとなる。また,この判断に当たっては,他の事業者の行動も考慮の対象となる。例えば,複数の事業者がそれぞれ並行的にこのような制限を行う場合には,一事業者のみが行う場合と比べ市場全体として価格維持効果が生じる可能性が高くなる。
なお,「価格維持効果が生じる場合」に当たるかどうかの判断において,非価格制限行為により,具体的に上記のような状態が発生することを要するものではない。

垂直的制限行為には,「市場における有力な事業者」によって当該行為が行われた場合に不公正な取引方法として違法となるおそれがあるものがある。後記第2の2(自己の競争者との取引等の制限)の各行為類型,同3(3)(厳格な地域制限)及び同7(抱き合わせ販売)がこれに当たる。 一般的な取引ルール
「市場における有力な事業者」と認められるかどうかについては,当該市場(制限の対象となる商品と機能・効用が同様であり,地理的条件,取引先との関係等から相互に競争関係にある商品の市場をいい,基本的には,需要者にとっての代替性という観点から判断されるが,必要に応じて供給者にとっての代替性という観点も考慮される。)におけるシェアが20%を超えることが一応の目安となる。ただし,この目安を超えたのみで,その事業者の行為が違法とされるものではなく,当該行為によって「市場閉鎖効果が生じる場合」又は「価格維持効果が生じる場合」に違法となる。
市場におけるシェアが20%以下である事業者や新規参入者がこれらの行為を行う場合には,通常,公正な競争を阻害するおそれはなく,違法とはならない。

第1 再販売価格維持行為

1 考え方

(1) 事業者が市場の状況に応じて自己の販売価格を自主的に決定することは,事業者の事業活動において最も基本的な事項であり,かつ,これによって事業者間の競争と消費者の選択が確保される。
事業者がマーケティングの一環として,又は流通業者の要請を受けて,流通業者の販売価格を拘束する場合には,流通業者間の価格競争を減少・消滅させることになることから,このような行為は原則として不公正な取引方法として違法となる。

(注4) 事業者が希望小売価格等を設定する場合においては,再販売価格を拘束すること(再販売価格の拘束に当たるかどうかについては,下記2において述べる考え方に基づき判断される。)にならなければ,通常問題となるものではない。
なお,希望小売価格等を流通業者に通知する場合には,「正価」,「定価」といった表示や金額のみの表示ではなく,「参考価格」,「メーカー希望小売価格」といった非拘束的な用語を用いるとともに,通知文書等において,希望小売価格等はあくまでも参考であること,流通業者の販売価格はそれぞれの流通業者が自主的に決めるべきものであることを明示することが,独占禁止法違反行為の未然防止の観点から望ましい。

2 再販売価格の拘束

(2) 「正当な理由」は,事業者による自社商品の再販売価格の拘束によって実際に競争促進効果が生じてブランド間競争が促進され,それによって当該商品の需要が増大し,消費者の利益の増進が図られ,当該競争促進効果が,再販売価格の拘束以外のより競争阻害的でない他の方法によっては生じ得ないものである場合において,必要な範囲及び必要な期間に限り,認められる。
例えば,事業者が再販売価格の拘束を行った場合に,当該再販売価格の拘束によって前記第1部の3(3)アに示されるような,いわゆる「フリーライダー問題」の解消等を通じ,実際に競争促進効果が生じてブランド間競争が促進され,それによって当該商品の需要が増大し,消費者の利益の増進が図られ,当該競争促進効果が,当該再販売価格の拘束以外のより競争阻害的でない他の方法によっては生じ得ないものである場合には,「正当な理由」があると認められる。

(3) 再販売価格の拘束の有無は,事業者の何らかの人為的手段によって,流通業者が当該事業者の示した価格で販売することについての実効性が確保されていると認められるかどうかで判断される。
次のような場合には,「流通業者が事業者の示した価格で販売することについての実効性が確保されている」と判断される。

(具体例)
X社は,X社製キャンプ用品について,翌シーズンに小売業者が販売を行うに当たっての販売ルール(以下「販売ルール」という。)を次のとおり定めていた。
ア 販売価格は,X社製キャンプ用品ごとにX社が定める下限の価格以上の価格とする。
イ 割引販売は,他社の商品を含めた全ての商品を対象として実施する場合又は実店舗における在庫処分を目的として,X社が指定する日以降,チラシ広告を行わずに実施する場合に限り認める。
X社はX社製キャンプ用品について,自ら又は取引先卸売業者を通じて
ア 継続して取引を行う小売業者に対しては,翌シーズンの取引について商談を行うに当たり,X社が定めた下限の価格を記載した見積書を提示するなどして,販売ルールに従って販売するよう要請し
イ 新たにX社製キャンプ用品の取引を希望する小売業者に対しては,取引開始に当たり,販売ルールに従って販売するよう要請し
X社が他の小売業者にも販売ルールに従って販売させることを前提に,小売業者から販売ルールに従って販売する旨の同意を得て,当該小売業者に販売ルールに従って販売するようにさせていた。
このようなX社の行為は,独占禁止法第2条第9項第4号イ及びロに該当し,独占禁止法第19条の規定に違反する。(平成28年6月15日排除措置命令,平成28年(措)第7号)

(具体例)
[1] インターネットを用いた音楽配信業務において,コンテンツプロバイダーA社が,ポータルサイトを運営するプラットフォーム事業者B社との間で,A社が指示する価格で音楽配信することを定めた委託販売契約を締結することは,A社がB社に対し,A社の提供する楽曲のB社のサーバーへのアップロード及び代金徴収業務のみを委託するものであり,実質的にはA社が自らの保有する楽曲を利用者に直接提供するものと認められ,直ちに独占禁止法上問題となるものではない。(平成16年度相談事例集「3 音楽配信サービスにおけるコンテンツプロバイダーによる価格の指定」)

[2] 産業用部品AのメーカーであるX社が,同社のユーザーであるZ社との間で,産業用部品Aの販売価格を取り決め,X社の代理店であるY社に対し,当該価格でZ社に納入するよう指示すること(具体的には,Y社にZ社向け産業用部品Aの物流,代金回収及び在庫保管の責任を負ってもらうこととし,その履行に対する手数料は,Y社のZ社への納入価格とY社のX社からの購入価格との差額とする。)は,Y社は物流,代金回収及び在庫保管の責任を負うが,Y社が負う在庫管理に伴う危険負担は極めて低いと考えられることから,実質的にみてX社がZ社へ直接販売していると認められる。また,X社が指示するのはY社がZ社に納入する価格のみであり,Y社がZ社以外のユーザーに販売する際の価格や,Y社以外の代理店が販売する際の価格を指示するものではないことから,X社の産業用部品Aについての価格競争に与える影響はほとんどないと考えられる。したがって,独占禁止法上問題となるものではない。(平成21年度相談事例集「2 代理店の再販売価格の拘束」)

3 流通調査

第2 非価格制限行為

1 考え方

2 自己の競争者との取引等の制限

イ 市場における有力な事業者が,例えば次のように,取引先事業者に対し自己又は自己と密接な関係にある事業者(注6)の競争者と取引しないよう拘束する条件を付けて取引する行為,取引先事業者に自己又は自己と密接な関係にある事業者の競争者との取引を拒絶させる行為,取引先事業者に対し自己又は自己と密接な関係にある事業者の商品と競争関係にある商品(以下「競争品」という。)の取扱いを制限するよう拘束する条件を付けて取引する行為を行うことにより,市場閉鎖効果が生じる場合には,当該行為は不公正な取引方法に該当し,違法となる(一般指定2項(その他の取引拒絶),11項(排他条件付取引)又は12項(拘束条件付取引))。
なお,「市場閉鎖効果が生じる場合」に当たるかどうかについては,前記第1部の3(1)及び(2)アにおいて述べた考え方に基づき判断される。例えば,このような制限を行う事業者の商品が強いブランド力を有している場合や競争者の供給余力が総じて小さい場合には,そうでない場合と比較して,取引先事業者にとって当該事業者から商品の供給を受けることがより重要となり,当該制限の実効性が高まることから,市場閉鎖効果が生じる可能性が高くなる。また,制限の期間が長期間にわたるほど,制限の相手方の数が多いほど,競争者にとって制限の相手方との取引が重要であるほど,そうでない場合と比較して,市場閉鎖効果が生じる可能性が高くなる。複数の事業者がそれぞれ並行的にこのような制限を行う場合には,一事業者のみが制限を行う場合と比べ市場全体として市場閉鎖効果が生じる可能性が高くなる。

イ 市場における有力な事業者が,取引先事業者に対し,自己の競争者から取引の申込みを受けたときには必ずその内容を自己に通知し,自己が対抗的に販売価格を当該競争者の提示する価格と同一の価格又はこれよりも有利な価格に引き下げれば,当該取引先事業者は当該競争者とは取引しないこと又は自己との従来の取引数量を維持することを約束させて取引し,これによって市場閉鎖効果が生じる場合には,当該行為は不公正な取引方法に該当し,違法となる(一般指定11項又は12項)。
なお,「市場閉鎖効果が生じる場合」に当たるかどうかについては,上記(1)「取引先事業者に対する自己の競争者との取引や競争品の取扱いに関する制限」において述べた考え方と同様である。

3 販売地域に関する制限

事業者が流通業者に対し地域外顧客への受動的販売の制限を行い,これによって価格維持効果が生じる場合には,不公正な取引方法に該当し,違法となる(一般指定12項)。
地域外顧客への受動的販売の制限は,厳格な地域制限と比較して,地域外の顧客からの求めに応じた販売をも制限している分,ブランド内競争を制限する効果が大きい。
例えば,インターネットを利用した販売において,流通業者のウェブサイトを見た顧客が当該流通業者に注文し,その結果販売につながった場合,これは受動的販売に当たる。メールマガジンを受信するなど,当該流通業者からの情報を継続して受け取ることとした顧客が,当該情報を見て当該流通業者に注文し,その結果販売につながった場合も同様である。このような場合において,事業者が流通業者に対し一定の地域を割り当て,顧客の配送先情報等から当該顧客の住所が地域外であることが判明した場合,当該顧客とのインターネットを利用した取引を停止させることは,地域外顧客への受動的販売の制限に当たり,これによって価格維持効果が生じる場合には,不公正な取引方法に該当し,違法となる。

4 流通業者の取引先に関する制限

5 選択的流通

6 小売業者の販売方法に関する制限

(具体例)
[1] 医療機器AのメーカーであるX社が,取引先事業者に対し,自社ブランドの医療機器Aについて,通信販売及び通信販売を行う事業者への販売を禁止すること(具体的な方法として,取引先事業者が,X社の医療機器Aの通信販売を行っている,又は通信販売業者にX社の医療機器Aを販売しているとの情報に接した場合には,当該取引先事業者に対し,通信販売をやめるよう,又は通信販売業者への販売をやめるよう要請し,それでもやめない事業者に対しては,X社の医療機器Aの出荷を停止する。)は,
ア(ア)X社の医療機器Aは,調整が行われないままで販売されると性能の発揮が著しく阻害され,消費者に不利益を与える蓋然性が高いこと
(イ)X社の医療機器Aの調整は通信販売では行うことができないこと
(ウ)消費者が販売時の調整を必要としない機器に限定して行う通信販売についてまで禁止するものではなく,必要最小限の制限であること
からすれば,本件取組を行う合理的な理由があると考えられること
イ 全ての取引先事業者について同等の制限が課せられること
ウ 店舗販売を行うX社の取引先事業者の中には,希望小売価格より相当程度低い価格で販売を行う者も存在し,本件が,取引先事業者の販売価格について制限を行うものであるとは考えられないこと
から,X社が取引先事業者の事業活動を不当に制限するものではなく,独占禁止法上問題となるものではない。(平成23年度相談事例集「1 医療機器メーカーによる通信販売の禁止」)

[2] 機械製品AのメーカーであるX社が,小売業者に対して,一般消費者に新商品の機能を説明することを義務付けること(具体的な方法として,店員による説明又は自社が作成した動画の小売業者のショッピングサイトへの掲載を求める。)は,
ア 義務付ける内容が過度なものではなく,新商品の適切な販売のための合理的な理由が認められること
イ 実質的に同等の条件が全ての小売業者に対して課せられていること
から,独占禁止法上問題となるものではない。(平成26年度相談事例集「6 機械製品メーカーによる新商品の機能の説明の義務付け」)

7 抱き合わせ販売

(1) 考え方
複数の商品を組み合わせることにより,新たな価値を加えて取引の相手方に商品を提供することは,技術革新・販売促進の手法の一つであり,こうした行為それ自体が直ちに独占禁止法上問題となるものではない。
しかし,事業者が,ある商品(主たる商品)の供給に併せて他の商品(従たる商品)を購入させることは,当該事業者の主たる商品の市場における地位等によっては,従たる商品の市場における既存の競争者の事業活動を阻害したり,参入障壁を高めたりするような状況等をもたらす可能性がある。

(具体例)
X社及びY社はパソコン用ソフトウェアの開発及びライセンスの供与に係る事業を営む者である。X社の表計算ソフト及びY社のワープロソフトは,それぞれ,市場シェア第1位であった。
X社は,自社と競合するY社のワープロソフトのみがパソコン本体に搭載されて販売されることは,X社のワープロソフトの市場シェアを高める上で重大な障害となるものと危惧し,パソコン製造販売業者に対し,X社の表計算ソフトとワープロソフトを併せてパソコン本体に搭載して出荷する契約を受け入れさせた。これにより,パソコン製造販売業者はX社の表計算ソフトとワープロソフトを併せて搭載したパソコンを発売し,X社のワープロソフトの市場シェアが拡大して市場シェア第1位を占めるに至った。
このようなX社の行為は,一般指定10項に該当し,独占禁止法第19条の規定に違反する。(平成10年12月14日勧告審決,平成10年(勧)第21号)

(3) ある商品の供給に併せて購入させる商品が「他の商品」といえるか否かについては,組み合わされた商品がそれぞれ独自性を有し,独立して取引の対象とされているか否かという観点から判断される。具体的には,判断に当たって,それぞれの商品について,需要者が異なるか,内容・機能が異なるか(組み合わされた商品の内容・機能が抱き合わせ前のそれぞれの商品と比べて実質的に変わっているかを含む。),需要者が単品で購入することができるか(組み合わされた商品が通常一つの単位として販売又は使用されているかを含む。)等の点が総合的に考慮される。
当該商品の供給に併せて他の商品を「購入させること」に当たるか否かは,ある商品の供給を受けるに際し客観的にみて少なからぬ顧客が他の商品の購入を余儀なくされるか否かによって判断される。
また,ある商品を購入した後に必要となる補完的商品に係る市場(いわゆるアフターマーケット)において特定の商品を購入させる行為も,抱き合わせ販売に含まれる。

第3 リベートの供与

1 考え方

(具体例)
市場における有力な福祉用具メーカーX社が,福祉用具Aを販売するに当たって,インターネット販売業者を対象とせずに,店舗販売業者のみを対象とするリベートを新たに設けること(具体的な方法として,[1]来店した一般消費者に直接適切な商品説明を行うための販売員教育を行うこと,[2]種類ごとに一定の在庫を常時確保することの両方の条件を満たす場合に,当該販売方法を支援するリベートを供与する。当該リベートは,X社の福祉用具Aの販売量によって変動・増減しない固定額で供与される。)は,安値販売を行っているインターネット販売業者についてはリベートを受け取ることができないが,当該リベートは,店舗販売に要する販売コストを支援するためのものであり,インターネット販売業者に対する卸売価格を引き上げるものではなく,その事業活動を制限するものではないことから,独占禁止法上問題となるものではない。(平成25年度相談事例集「4 福祉用具メーカーによる店舗販売業者のみに対するリベートの供与」)

2 独占禁止法上問題となる場合

取引先事業者に対し,事業者の示した価格で販売しないためにリベートを削減する場合など,リベートを手段として,取引先事業者の販売価格,競争品の取扱い,販売地域,取引先等についての制限が行われる場合には,前記第1及び第2において述べた考え方に従って違法性の有無が判断される(独占禁止法第2条第9項第4号(再販売価格の拘束),一般指定11項(排他条件付取引)又は12項(拘束条件付取引))。
また,取引先事業者がいくらで販売するか,競争品を取り扱っているかどうか等によってリベートを差別的に供与する行為それ自体も,取引先事業者に対する違法な制限と同様の機能を持つ場合には,不公正な取引方法に該当し,違法となる(一般指定4項(取引条件等の差別取扱い)以下(2)及び(3)も同様。)。
なお,いわゆる払込制(事業者が取引先事業者からマージンの全部又は一部を徴収し,これを一定期間保管した後に,当該取引先事業者に払い戻すこと)が,取引先事業者に対する違法な制限の手段となっている場合又は違法な制限と同様の機能を持つ場合も,上記と同様に判断される。

累進的なリベートは,市場の実態に即した価格形成を促進するという側面を有するものであるが,その累進度が著しく高い場合には,自社製品を他社製品よりも優先的に取り扱わせる機能を持つ。
取引先事業者に対する著しく累進的なリベートの供与が,競争品の取扱制限としての機能を持つこととなる場合は,前記第2の2(1)(取引先事業者に対する自己の競争者との取引や競争品の取扱いに関する制限)において述べた考え方に従って違法性の有無が判断される。
すなわち,市場における有力な事業者がこのようなリベートを供与し,これによって取引先事業者の競争品の取扱いを制限することとなり,その結果,市場閉鎖効果が生じる場合には,不公正な取引方法に該当し,違法となる(一般指定4項,11項又は12項)。

事業者は,間接の取引先である小売業者に対しても,小売業者の当該事業者の商品の仕入高に応じて,直接に,又は卸売業者を通じてリベートを供与する場合がある。事業者がこのようなリベートを供与する場合において,小売業者に対するリベートの供与額を計算するに当たって,当該事業者の商品の仕入高のうち,特定の卸売業者からの仕入高のみを計算の基礎とする場合には,帳合取引の義務付けとしての機能を持つこととなりやすい。
このようなリベートの供与が,帳合取引の義務付けとしての機能を持つこととなる場合は,前記第2の4(2)(帳合取引の義務付け)において述べた考え方に従って違法性の有無が判断される。
すなわち,このような機能を持つリベートの供与によって価格維持効果が生じる場合には,不公正な取引方法に該当し,違法となる(一般指定4項又は12項)。

第2部 取引先の選択

1 事業者は,公正かつ自由な競争を通じ,価格,品質,サービス等の取引条件の優劣に基づいた自主的判断によって取引先の選択を行う。また,事業者は取引先を選択するに当たり,個々の取引における価格,品質,サービス等の取引条件の優劣に加え,供給の安定性,技術開発力,自己の要求への対応の弾力性など購入先の事業者総体としての評価をも併せ考慮する場合がある。事業者が取引先の選択をかかる観点から行い,その結果,事業者間の取引が継続的なものとなっているのであれば,独占禁止法上問題となるものではない。
しかし,事業者が,例えば,既存の取引関係を維持するために他の事業者との間で相互に既存の取引関係を尊重しこれを優先させることを話し合ったり,他の事業者と共同して競争者を排除するような行為を行えば,顧客の獲得を巡って行われる競争が制限されたり,新たな競争者の参入が妨げられ,市場における競争が制限されることとなる。

2 第2部では,自由かつ自主的に行われるべき事業者による取引先の選択において,他の事業者と共同して競争者の新規参入を阻止し又は競争者を排除するような行為等について,独占禁止法上の考え方を明らかにしている。

国内株式のリスクと費用について

国内株式の委託手数料は「超割コース」「いちにち定額コース」の2コースから選択することができます。
〔超割コース(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料 一般的な取引ルール
5万円まで 55円(税込)
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)

〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)

超割コース大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。
〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 0円
20万円まで110円(税込)
50万円まで 261円(税込)
100万円まで 468円(税込)
150万円まで559円(税込)
3,000万円まで 886円(税込)
3,000万円超936円(税込)

〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。

〔いちにち定額コース〕
1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)で手数料が決まります。
1日の取引金額合計 取引手数料
100万円まで0円
200万円まで 2,200円(税込)
300万円まで 3,300円(税込)
以降、100万円増えるごとに1,100円(税込)追加。
※1日の取引金額合計は、前営業日の夜間取引と当日の日中取引を合算して計算いたします。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定する銘柄の手数料は0円です。これらのお取引は、いちにち定額コースの取引金額合計に含まれません。

  • カスタマーサービスセンターのオペレーターの取次ぎによる電話注文は、上記いずれのコースかに関わらず、1回のお取引ごとにオペレーター取次ぎによる手数料(最大で4,950円(税込))を頂戴いたします。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 信用取引には、上記の売買手数料の他にも各種費用がかかります。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 信用取引をおこなうには、委託保証金の差し入れが必要です。最低委託保証金は30万円、委託保証金率は30%、委託保証金最低維持率(追証ライン)が20%です。委託保証金の保証金率が20%未満となった場合、不足額を所定の時限までに当社に差し入れていただき、委託保証金へ振替えていただくか、建玉を決済していただく必要があります。
    レバレッジ型ETF等の一部の銘柄の場合や市場区分、市場の状況等により、30%を上回る委託保証金が必要な場合がありますので、ご注意ください。

【貸株サービス・信用貸株にかかるリスクおよび費用】

リスクについて 貸株サービスの利用に当社とお客様が締結する契約は「消費貸借契約」となります。株券等を貸付いただくにあたり、楽天証券よりお客様へ担保の提供はなされません(無担保取引)。
(信用貸株のみ) 株券等の貸出設定について 信用貸株において、お客様が代用有価証券として当社に差入れている株券等(但し、当社が信用貸株の対象としていない銘柄は除く)のうち、一部の銘柄に限定して貸出すことができますが、各銘柄につき一部の数量のみに限定することはできませんので、ご注意ください。

当社の信用リスク 当社がお客様に引渡すべき株券等の引渡しが、履行期日又は両者が合意した日に行われない場合があります。この場合、「株券等貸借取引に関する基本契約書」・「信用取引規定兼株券貸借取引取扱規定第2章」に基づき遅延損害金をお客様にお支払いいたしますが、履行期日又は両者が合意した日に返還を受けていた場合に株主として得られる権利(株主優待、議決権等)は、お客様は取得できません。 投資者保護基金の対象とはなりません 貸付いただいた株券等は、証券会社が自社の資産とお客様の資産を区別して管理する分別保管および投資者保護基金による保護の対象とはなりません。 手数料等諸費用について 一般的な取引ルール お客様は、株券等を貸付いただくにあたり、取引手数料等の費用をお支払いいただく必要はありません。 配当金等、株主の権利・義務について 貸借期間中、株券等は楽天証券名義又は第三者名義等になっており、この期間中において、お客様は株主としての権利義務をすべて喪失します。そのため一定期間株式を所有することで得られる株主提案権等について、貸借期間中はその株式を所有していないこととなりますので、ご注意ください。(但し、信用貸株では貸借期間中の全部又は一部においてお客様名義のままの場合もあり、この場合、お客様は株主としての権利義務の一部又は全部が保持されます。)株式分割等コーポレートアクションが発生した場合、自動的にお客様の口座に対象銘柄を返却することで、株主の権利を獲得します。権利獲得後の貸出設定は、お客様のお取引状況によってお手続きが異なりますのでご注意ください。貸借期間中に権利確定日が到来した場合の配当金については、発行会社より配当の支払いがあった後所定の期日に、所得税相当額を差し引いた配当金相当額が楽天証券からお客様へ支払われます。 株主優待、配当金の情報について 株主優待の情報は、東洋経済新報社から提供されるデータを基にしており、原則として毎月1回の更新となります。更新日から次回更新日までの内容変更、売買単位の変更、分割による株数の変動には対応しておりません。また、貸株サービス・信用貸株内における配当金の情報は、TMI(Tokyo Market Information;東京証券取引所)より提供されるデータを基にしており、原則として毎営業日の更新となります。株主優待・配当金は各企業の判断で廃止・変更になる場合がありますので、必ず当該企業のホームページ等で内容をご確認ください。 大量保有報告(短期大量譲渡に伴う変更報告書)の提出について 楽天証券、または楽天証券と共同保有者(金融商品取引法第27条の23第5項)の関係にある楽天証券グループ会社等が、貸株対象銘柄について変更報告書(同法第27条の25第2項)を提出する場合において、当社がお客様からお借りした同銘柄の株券等を同変更報告書提出義務発生日の直近60日間に、お客様に返還させていただいているときは、お客様の氏名、取引株数、契約の種類(株券消費貸借契約である旨)等、同銘柄についての楽天証券の譲渡の相手方、および対価に関する事項を同変更報告書に記載させていただく場合がございますので、予めご了承ください。 税制について 株券貸借取引で支払われる貸借料及び貸借期間中に権利確定日が到来した場合の配当金相当額は、お客様が個人の場合、一般に雑所得又は事業所得として、総合課税の対象となります。なお、配当金相当額は、配当所得そのものではないため、配当控除は受けられません。また、お客様が法人の場合、一般に法人税に係る所得の計算上、益金の額に算入されます。税制は、お客様によりお取り扱いが異なる場合がありますので、詳しくは、税務署又は税理士等の専門家にご確認ください。

不公正取引について

このような取引は、脱税やマネー・ロンダリングといった行為の温床となる可能性があることや、相場操縦といった不公正取引に利用される可能性があり、法令諸規則等により委託及び受託を禁止されています。
また、当社ではネット証券という事情を勘案して、お客さまの口座番号及びパスワードはご本人様で厳格に管理いただくことをお願いするとともに、ご本人様以外の方のご使用をお断りさせていただきます。
なお当社では、口座名義人以外の方が取引を行っている疑いがある場合には、犯罪による収益の移転防止に関する法律に基づき、電話によるお客さまへの確認を実施させていただいております。

仮名取引のおそれがある事例

  1. 架空の名義で口座を開設し、取引をしているようなケース。
  2. 他人の名義を勝手に利用して口座を開設し、取引をしているようなケース。

借名取引のおそれがある事例

  1. 家族や友人から取引をすべて一任されているようなケース(口座の名義人の方が投資判断を行っていないケース)
  2. 数人のお客さまで一つの口座を利用して取引をしているようなケース。

4.空売り規制

空売り(信用新規売建て注文)においては、2013年11月5日、金融商品取引法施行令の一部改正により、価格規制適用銘柄(トリガー抵触銘柄) ※1 に対し、原則として直近公表価格以下の価格での発注が禁止(※2)されております(空売りの価格規制)。
個人投資家が行う信用新規売建て注文については、1回あたりの数量が売買単位の50単元以内の注文は同規制の対象外となります。ただし、50単元以内の注文を複数発注し、結果として発注数量が50単元を超えた場合(複数の証券会社および資金の所有者が実質同一人である場合の家族口座や法人口座等を利用したものも含む)は、一口の注文とみなされ空売りの価格規制の対象となります。

  • ※ 50単元以下に分割した注文については、当社規制ルールに基づいて、分割発注における50単元を越える注文は、その前の注文が約定されるまで注文を受付けませんでしたが、規制改正に基づき、価格規制適用銘柄(トリガー抵触銘柄) ※1 に対して規制するルールに変更いたします。
  • ※ 価格規制適用銘柄(トリガー抵触銘柄)につきましては、以下にてご確認ください。

当社では、取引時間中のお客さまの取引を全て売買監視対象として、空売り審査をおこなっており、一定時間おきに50単元以内に分割した数量を繰り返し発注した場合などは、価格規制を潜脱する目的をもった意図的な分割発注とみなし同規制の対象となりますので、十分にご注意ください。
50単元を超える信用新規売建て注文は、「価格規制ありの空売り」として金融商品取引所で空売りの価格チェックが行われ、価格規制に該当した注文はエラーとなり失効するため、空売り価格の判定が極めて容易に可能です。そのため、50単元超の信用新規売建て注文を発注する場合は、一度に発注して頂きますようお願いいたします。なお、50単元超の信用新規売建て注文が、数量削減訂正や一部約定により50単元以下となった場合も、継続して「価格規制ありの空売り」として取り扱わせて頂きます。
また、当社では50単元超の信用新規売建て注文について、成行注文ならびに執行条件に成行を含む注文は受付けておりません。あらかじめご了承頂きますようお願いいたします。

インサイダー取引

インサイダー取引審査の流れ

当法人の相談窓口に寄せられたご質問とその回答を取りまとめました。
なお、本FAQはインサイダー取引規制に関する考え方のポイントを一般論として示したものであり、実際の事案における事実関係によっては異なる結論となる場合があり得ることにご留意ください。また、インサイダー取引規制の対象とならない取引であっても、他の法令やモラルの観点から問題がないことを意味する訳ではないことにもご留意ください。
また、金融庁及び証券取引等監視委員会が、インサイダー取引規制の基本的な内容や実務上問題となる論点に関する法令解釈の指針等に係るQ&Aを公表していますので、こちらも併せてご参照ください。

インサイダー取引に関するよくある質問(0.3MB)

1. 規制対象となる者

  • 未公表の重要事実を知っているかを確認する。
    ※知っている場合は、当該重要事実の公表後に売買を行う。
  • 知っている情報が未公表の重要事実か判断が難しい場合は、自社の株式の売買を管理する部署などに確認・照会する。
  • 自社の株式の売買に関する社内ルールがある場合は、必ず社内ルールに従い、必要であれば所定の手続きをとってから売買を行う。

Q2. 親族に上場会社の役員(従業員)がいる場合
私の親族が上場会社の役員(従業員)を務めていますが、私が当該上場会社の株式を売買するとインサイダー取引規制違反となるでしょうか。 A2. 上場会社の役員や従業員は会社関係者に該当するため、親族の方は会社関係者に該当します。会社関係者が業務上で重要事実を知った場合、その会社関係者から未公表の重要事実の伝達を受けた者は第一次情報受領者に該当します。もっとも、親族に上場会社の役員や従業員がいるだけであって、その親族から未公表の重要事実の伝達を受けているのでなければ、インサイダー取引の成立要件を欠いていますのでインサイダー取引規制違反とはなりません。
Q3. 上場会社の役員退任後の売買の場合
私は、4か月前まで上場会社の役員を務めていましたが、このたび、資金が必要となったため、在任時から保有していた当該上場会社の株式を売却したいと考えています。退任後ですので、上場会社の株式の売買をしてもインサイダー取引規制に違反しないと考えてよいですか。 A3. 会社関係者でなくなった後1年以内の者も、会社関係者と同様にインサイダー取引規制の対象とされています。そのため、在任中に職務に関して知った未公表の重要事実が売買する時点で未だ公表されていない場合は、インサイダー取引規制違反となり得ます。また、退任後に新たに未公表の重要事実を知った場合であっても、会社関係者から伝達を受けた場合には、情報受領者としてインサイダー取引規制に違反することとなり得ます。なお、いずれのケースも、「資金が必要となった」などといった、売買の動機はインサイダー取引の成否には関係ありませんので御注意ください。
Q4. 「役員」の意義
インサイダー取引規制に関連して、「役員」の売買報告書の提出義務(金融商品取引法第163条)や、「役員」に対する短期売買利益の返還請求(金融商品取引法第164条)が定められていますが、どのような人が「役員」に該当しますか。 A4. 金融商品取引法第21条第1項第1号で「役員」は、「取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又はこれらに準ずる者をいう。」と定義されていますが、この後に「第163条から第167条までを除き、以下同じ。」とありますので、インサイダー取引規制における「役員」の定義については解釈に委ねられていることになります。 一般的な取引ルール
しかし、一般的にはインサイダー取引規制における「役員」の定義も、上記の金融商品取引法第21条第1項第1号における定義と同じと考えられており、執行役員、相談役、顧問などは「役員」には含まれません。もっとも、執行役員、相談役、顧問などであっても、「その他の従業者」に該当するものとして、インサイダー取引規制の対象となると考えられます。
Q5. 「子会社」の範囲
インサイダー取引規制においては、上場会社の子会社の役職員も「会社関係者」に該当し、また、上場会社の子会社に関する一定の事項も当該上場会社の重要事実に該当すると聞きました。どこまでの範囲が「子会社」に含まれますか。 A5. 上場会社等の属する企業集団に属する会社として、直近の有価証券報告書などに記載されたものをいいます。(参考:金融庁は、平成20年12月25日、法令解釈に係る照会手続の回答の中で金融商品取引法第166条第5項に定める「子会社」への該当状況に対する考え方の一例を示しています。)

金融庁該当ページ 一般的な取引ルール
Q6. 立ち聞き、飲み会での情報受領
私は上場会社の従業員ですが、社内で重要事実を立ち聞きした場合やアフターファイブの飲み会の席で未公表の重要事実の話を聞いてしまった場合に自社の株式などの売買をしたらインサイダー取引規制に違反することになりますか。 A6. たまたま社内で知った場合であっても、その状況によっては重要事実を「職務に関して」知った会社関係者としてのインサイダー取引と判断されるおそれがありますし、飲み会の席上で知った場合であっても、情報受領者として規制の対象とされることも考えられますので、御注意ください。

2. 規制対象となる取引

Q1. 利益が少額の場合、損失が出た場合
上場会社の未公表の重要事実を知って当該上場会社の株式を買い付け、公表後に売却したものの、数万円程度の少額の利益しか出ていない場合や、損失が出てしまった場合でも、インサイダー取引規制違反となるでしょうか。 A1. インサイダー取引の成否には取引による利益の額・損失発生の別は関係ありませんので、会社関係者等が上場会社等の未公表の重要事実を職務に関して知った場合などにおいて、公表前に当該上場会社等の株式を売買した場合は、適用除外に該当しない限り、インサイダー取引規制違反となります。実際の事例でも、課徴金額が4万円と少額であっても課徴金納付命令が出された事例も存在します。
Q2. 1株(1単元)など少量の売買の場合
上場会社の未公表の重要事実を知っていますが、例えば100株(1単元)だけといった少量の売買であれば、インサイダー取引規制違反として摘発されることはありませんか。 A2. インサイダー取引の成否には取引数量は関係ありませんので、1単元であっても会社関係者等が上場会社等の未公表の重要事実を職務に関して知った場合などにおいて、公表前に当該上場会社の株式を売買した場合は、適用除外に該当しない限りインサイダー取引規制違反となります。実際に買い付けた株式が1単元と少量であっても課徴金納付命令が出された事例も存在します。
Q3. 利益確定売りをしていない場合
上場会社の未公表の重要事実を知ったうえで、当該上場会社の株式を買い付けましたが、重要事実の公表後も売却せず、保有を継続しています。当該買付けはインサイダー取引規制違反となりますか。 A3. 他の要件を満たす限り、未公表の重要事実を知って最初に買い付けた時点でインサイダー取引規制違反となります。そのため、その後買い付けた株式を売却しても、あるいは保有を継続していても、インサイダー取引違反でなくなることはありません。
Q4. 不当な利益を得る目的以外で売買した場合
子供の入学金準備、住宅ローン返済、役員就任にあたっての自社株保有や長期投資の目的であれば未公表の重要事実を知って売買をしてもインサイダー取引に該当しませんか。 A4. インサイダー取引は会社関係者と情報受領者が「未公表の重要事実を知って売買」すれば成立します。売買の動機はインサイダー取引の成否には関係ありません。
したがって、会社関係者又は情報受領者に該当するのであれば、設問のような目的に基づき売買を行ったとしても、インサイダー取引が成立しますので御注意ください。未公表の重要事実が公表されればインサイダー取引規制が解除されますので、売買にあたっては重要事実が公表されたかどうかを事前に御確認ください。
Q5. 決算発表の直前・直後の売買
上場会社が決算発表を行う直前や直後に、当該上場会社の役員や従業員が当該上場会社の株式を売買することは禁止されていますか。 A5. 上場会社の役員や従業員といった会社関係者ではあっても、法令上は、決算発表の直前・直後に自社の株式などの売買を行ってはならないとのルールはないため、当該上場会社の未公表の重要事実を知らなければ当該上場会社の株式の売買は禁止されておりません。
ただし、インサイダー取引の未然防止のため、上場会社によっては、社内規程により決算発表の直前・直後の当該上場会社の株式の売買を禁止しているところもありますので、社内規程の内容には十分御配慮をいただければと思います。
Q6. 役員(従業員)持株会
私は上場会社の役員(従業員)で、未公表の重要事実を知っています。役員(従業員)持株会で自社の株式を毎月買い付ける場合や、持株会から株式を引き出して売却する場合はインサイダー取引になりますか。 A6. 一定の計画に従い毎月行う定時定額の買付け(各役員・従業員の1回あたりの拠出額が100万円未満)はインサイダー取引規制の適用除外です。したがって、このような自社の株式の買付けであれば、未公表の重要事実を知っていても可能であり、インサイダー取引規制違反に問われることはありません。ただし、未公表の重要事実を知りながら行う持株会拠出額の増加や新規加入はインサイダー取引規制の対象となります。
一方で、持株会から引き出した株式の売付けは、インサイダー取引規制の適用除外とはされていません。自社の株式の売付けを適切に行い、インサイダー取引の疑いをもたれないようにするためには、「1. 規制対象となる者」のQ1で述べた留意点を踏まえることが有用であると考えられます。
Q7. 株式累積投資制度(「るいとう」)
いわゆる「るいとう」による買付けはインサイダー取引規制の対象となりますか。 A7. 上記Q6の役員(従業員)持株会の定時定額の買付けと同様に、いわゆる「るいとう」による買付けも、インサイダー取引規制の適用除外とされています。もっとも、買い付けた株式を売却する場合はインサイダー取引規制の対象です。
Q8. 贈与・相続
贈与による上場会社の株式の譲渡又は譲受けはインサイダー取引規制の対象となりますか。また、相続による上場会社の株式の取得はインサイダー取引規制の対象となりますか。 A8. インサイダー取引規制の対象となる行為は「売買等」であり、これは売買その他有償の譲渡若しくは譲受けなどを意味します。そのため、無償で行われる贈与による株式の譲渡や譲受けはインサイダー取引規制の対象とはなりません。また、同様の理由から、相続による株式の取得もインサイダー取引規制の対象とはなりません。
Q9. ストックオプションの行使
私は、上場会社に勤務しており、会社からストックオプションの付与を受けて保有していますが、これを行使して株式を取得することはインサイダー取引規制の対象となりますか。また、ストックオプションを行使して取得した株式を売却する場合はどうですか。 A9. ストックオプションとして付与されている新株予約権を行使して株式を取得することは、インサイダー取引規制の適用除外にあたりますので、未公表の重要事実を知りながらでも可能です。 一般的な取引ルール
これに対して、ストックオプションを行使して取得した株式を売却する場合は適用除外にあたりません。したがって、特に株価の状況を見て権利行使・株式取得・売却を行う場合でも、未公表の重要事実を知っていると、取得した株式を売却できないケースがありますので御注意ください。
Q10. 市場外の相対取引、ToSTNeTを通じた取引
市場外での相対取引やToSTNeTを通じて行われる上場会社の株式の売買はインサイダー取引規制の対象となりますか。 A10. 市場外での相対取引やToSTNeTを通じて行われる上場会社の株式の売買は、いずれもインサイダー取引規制の対象となり得ますが、市場外での相対取引のうち、売買等の当事者双方が同一の未公表の重要事実を知って売買等を行う場合は、規制の適用除外に該当となる場合もあります。

3. 規制対象となる有価証券

Q1. 単元未満株式
私は上場会社の単元未満株式を保有していますが、このような単元未満株式の売却や買い増しはインサイダー取引規制の対象となりますか。 A1. 単元未満株式の売買についてインサイダー取引規制の適用除外とする規定がないので、単元株と同様にインサイダー取引規制の対象であると考えられます。
なお、これに対して、上場会社等が単元未満株式の買取請求に応じて買取りを行う場合(会社法第192条・第193条)、単元未満株式の売渡請求に応じて売渡しをする場合(会社法第194条)は、適用除外とされています。
Q2. ETF・株式投資信託
ETF、株式投資信託の売買等は、それぞれインサイダー取引規制の対象となりますか。 A2. ETF、株式投資信託は、原則として、インサイダー取引規制の対象である「特定有価証券等」ではありません。
もっとも、ETF、株式投資信託であっても、例えばいわゆる自社株投信のような、信託財産を特定の上場会社等の特定有価証券のみに対する投資として運用する旨を信託約款に定めた投資信託の受益証券や、同様の旨を規約に定めた投資法人の発行する投資証券などは、「特定有価証券等」に該当するものとして、インサイダー取引規制の対象となることがあります。
Q3. 未上場会社の発行する株式
未上場会社の発行する株式や、フェニックス銘柄はインサイダー取引規制の対象となりますか。 A3. インサイダー取引規制の対象は、上場会社等が発行する有価証券に限られますので、株式を上場していない未上場会社の発行する株式は、原則として、インサイダー取引規制の対象ではありません。ただし、フェニックス銘柄制度は、未上場会社株式の売買制度ではありますが、この制度の対象とされているフェニックス銘柄は、インサイダー取引規制の対象とされています。

フェニックス銘柄制度
Q4. 「子会社連動株式」・「連動子会社」の意義
子会社の決定事実の軽微基準について調べていたら、「子会社連動株式」や「連動子会社」といった言葉がでてきましたが(有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第52条第2項など)、これは何ですか。 A4. 簡単に言えば、上場会社がA、B2種類の株を発行している場合、A株については自社の利益を剰余金の配当の原資としますが(通常の上場株)、B株についての剰余金の配当がある特定の子会社の剰余金の配当に基づき決定されるときの、B株を子会社連動株式(いわゆるトラッキング・ストック)、その特定の子会社を連動子会社と呼んでいます。
連動子会社、子会社連動株式については、それぞれ、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第11号、同府令第52条第1項第12号に定義規定が置かれており、具体的な内容は金融商品取引法施行令第29条第8号に規定されています。
なお、現在は、上場会社が発行する株式に子会社連動株式は存在していません。

4. 重要事実

Q1. 四半期決算の数値
四半期決算において、決算短信で公表した予想値に比較して売上高等について大幅な差異が生じましたが、決算情報(金融商品取引法第166条第2項第3号)としてインサイダー取引規制上の重要事実となりますか。 A1. 決算情報として定義されているのは、通期の売上高等の予想値、決算数値について差異が生じたことであると考えられていますが、四半期決算の数値についても注意が必要です。
四半期決算の数値とはいっても、例えば、その内容から通期の売上高等の予想値の修正がされるであろうことが読み取れる場合は、具体的な数字としては四半期決算の売上高等の予想値を知った場合であっても、実質的に通期の売上高等の予想値の修正を知ったものとみられ、決算情報を知ったものと判断される場合があります。
また、四半期決算の売上高等の予想値の修正自体が株価に影響を与える場合もあると考えられますが、このような場合において、バスケット条項に該当する可能性が排除されているわけではありません。
Q2. ストックオプションの付与
当社では、役員・従業員に対してストックオプションを付与することを考えていますが、ストックオプションの付与の決定はインサイダー取引規制上の重要事実となりますか。 A2. 役員・従業員などに対してストックオプションとして新株予約権を付与する場合は、募集の払込金額を無償(0円)又は著しく廉価とすることが一般的であると思われます。
この場合、募集の払込金額の総額が1億円未満であれば、重要事実には該当しません。
Q3. 代表取締役又は代表執行役の異動、取締役の異動
上場会社において、代表取締役又は代表執行役の異動や、取締役の異動が決定されたことは、インサイダー取引規制上の重要事実となりますか。 A3. 代表取締役又は代表執行役の異動の決定は、適時開示事項ではあっても(有価証券上場規程第402条第1号aa)、一般的には、インサイダー取引規制上の重要事実には該当しないと考えられます。
また、代表権のない取締役や執行役の異動の決定も、一般的にはインサイダー取引規制上の重要事実には該当しないと考えられます。
ただし、例えば、代表取締役が当該上場会社に対して強い影響力を持つ創業者である場合などは、その辞任が株価に影響することも考えられますので、投資者の投資判断に著しい影響を及ぼすものとしてバスケット条項に該当する可能性もあると考えられます。
Q4. 株主優待の創設、変更、廃止
上場会社による株主優待の創設、変更、廃止の決定はインサイダー取引規制上の重要事実となりますか。 A4. 株主優待の創設や変更の決定については、重要事実のうち、剰余金の配当の決定に該当するか否かが問題となり得ますが、一般的には株主優待の創設、変更、廃止の決定が剰余金の配当に該当することはありません。ただし、ほとんどの株主が株主優待を期待して株式を保有している場合などであれば、その廃止の決定はバスケット条項に該当する可能性があると思われます。
Q5. 上場会社等の決定事実の軽微基準(単体の数値か連結の数値か)
一定の重要事実については軽微基準が定められており、例えば、上場会社等による株式交換の決定に関しては、当該上場会社等が完全親会社となる場合であれば、「株式交換完全子会社・・・となる会社・・・の最近事業年度の末日における総資産の帳簿価額が会社の最近事業年度の末日における純資産額の100分の30に相当する額未満であり、かつ、最近事業年度の売上高が会社の最近事業年度の売上高の100分の10に相当する額未満である場合において、当該株式交換完全子会社となる会社との間で行う株式交換」は軽微基準に該当し、重要事実には該当しないとされていますが(金融商品取引法第166条第2項第1号チ、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第5号イ)、この場合の純資産額や売上高は、単体の数値又は連結の数値のいずれを意味するのでしょうか。 A5. 単体の数値を意味します。
子会社の決定事実に係る重要事実の軽微基準に関しては、法令上、「『当該上場会社等の属する企業集団の』資産の増加額」(有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第52条第1号イ)のように、連結の数字を指すことが明示されています。
御質問の例の場合は、特に上記の文言のように「当該上場会社等の属する企業集団の」といった限定はされていないため、単体で判断していただくことになります。
ただし、当該上場会社等が特定上場会社等である場合には、資産額や売上高等の財務数値として連結の数値を参照していただくことになります。

Q1. 重要事実の公表直後の売買
上場会社が重要事実を公表した直後に、当該上場会社自身が自己株式取得を行ったり、会社関係者が売買等を行ったりすると、インサイダー取引規制に違反することになりますか。 A1. 重要事実が公表された後であれば、当該上場会社の株式の売買などがインサイダー取引規制に違反することはありません。
ただし、公表直後においては、実質的に見て、未公表の時点から重要事実を知っていた会社関係者と一般投資家との間に情報格差が存在するため、当該会社関係者、特に取締役等が積極的に自社の株式の売買を行うことは、一般投資者との平等性において著しく衡平を欠くこととなるおそれがあります。
このため、東証からは、上場会社に対し、上場会社の会社関係者が重要事実の公表直後に当該上場会社の株式の売買を行う際には、会社情報を広範な投資者に公平、迅速に伝達するという適時開示情報閲覧サービスの本来の制度趣旨をよく御理解いただき、十分な配慮をいただきたい旨の通知を上場会社宛てに通知させていただいております(平成16年1月16日(東証上サ第19号)「証券取引法施行令第30条の改正に伴う積極的なIR活動の充実等の要請について」)。

6. 罰則等

Q1. インサイダー取引の罰則等
インサイダー取引規制に違反した場合、どのような罰則がありますか。 A1. 5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金、又はこれらの併科になります。また、法人の代表者又は法人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人の計算でインサイダー取引規制に違反した場合には、その法人に対して5億円以下の罰金刑が科されます。
また、インサイダー取引規制違反によって得た財産は原則として没収又は追徴されます。例えば、インサイダー取引により200万円で買い付けた株式を売却することによって300万円を得た場合には、300万円が没収又は追徴の対象となります。
このほか、罰則ではありませんが、規制の実効性確保のため、行政上の措置として、インサイダー取引規制に違反して自己の計算で有価証券の売買等を行ったものに対して、金融庁から課徴金納付命令が出されます。これにより、違反行為によって得た経済的利益相当額を基準として定められた方法によって算出された金額を国庫に納めることになります。
Q2. インサイダー取引規制の時効等
インサイダー取引規制違反の時効はいつ成立しますか。 A2. 公訴時効は、売買等(買付け等又は売付け等)が行われた日から5年を経過することによって完成します。また、課徴金納付命令に先立つ審判手続開始の決定の除斥期間についても同様です。
Q3. 課徴金と刑事罰の関係
インサイダー取引規制に違反した場合、一つの違反行為が課徴金と刑事罰の両方の対象とされることはありますか。 A3. 法令上は、一つの違反行為を課徴金と刑事罰の両方の対象とすることも可能となっています。
ただし、刑事罰としてインサイダー取引により得た財産の没収又は追徴が行われている場合は、当該財産の価額に相当する金額を課徴金の額から控除するなどの調整がなされることになっています(金融商品取引法第185条の7第15項、第185条の8第1項)。

7. 社内ルール等

このような特定の時期における役職員による売買の規制は、法令上の要請ではなく、インサイダー取引の未然防止の観点から、各上場会社の社内ルールに基づいて行われているものです。もっとも、このような規制を設けることにより、役職員の資産形成の事由を一定の範囲で制限することにもなります。
そのため、このような社内ルールを設けることの是非については、各上場会社において、未然防止の実効性を確保しつつも、過剰規制に陥らないように配慮しつつ、判断されるようお願いいたします。
Q3. 家族を社内ルールの対象とすることの是非
当社は上場会社ですが、役員(従業員)の家族の自社株の売買についても、役員(従業員)と同様に事前届出の対象とするなどの社内ルールの対象とすべきでしょうか。 A3. 上場会社において、一律的に役員(従業員)の家族を社内ルールの対象として売買状況を管理することは、必ずしも必要ではないと考えられます。各上場会社の管理状況を見ると、一部の上場会社では家族の自社株売買についても社内ルールの対象としているケースもありますが(※)、各社の実情に応じて御判断いただければと思います。
過去の公表資料 (※参考:「第三回全国上場会社内部者取引管理アンケート調査報告書」問9)
役員(従業員)の家族によるインサイダー取引を未然に防止するためには、社内ルールの対象とする以外にも、未公表の重要事実が家族に伝わらないように情報管理を徹底することやJ-IRISSに登録すること(下記Q6参照)も有用です。
Q4. 社内ルールへの違反
当社は上場会社ですが、社内ルールで、決算期の直前・直後に自社の株式などの売買を行ってはならないとのルールが設けられています。このような売買をするとインサイダー取引規制に違反することになりますか。 A4. 社内規程はインサイダー取引の未然防止の観点から設けられているものであり、法令上は、決算期の直前・直後に自社の株式などの売買を行ってはならないとのルールはないため、決算期の直前・直後に自社の株式などの売買を行ったこと自体が直ちにインサイダー取引規制に違反することになるわけではありません。したがって、このような時期に売買を行っても、貴社の未公表の重要事実を知らなければインサイダー取引規制に違反することはありません。
もっとも、法令に違反することがなくても、社内規程に違反すれば、一般的には就業規則違反として懲戒処分の対象となり得ることに御注意ください。
Q5. 子会社役員の報告義務
上場会社の「役員」については、特定有価証券等の売買等の報告(売買報告書)の提出義務(金融商品取引法第163条)、短期売買利益の返還(金融商品取引法第164条)に関する規定がありますが、当該規定の対象となる「役員」には子会社の役員も含まれますか。 A5. 売買報告書の提出義務を負い、短期売買利益の返還請求の対象とされているのは、当該上場会社の役員及び主要株主(※)であり、当該上場会社の子会社の役員は対象ではありません。ただし、当該上場会社の役員を兼務している方は当該上場会社の役員として売買報告書の提出などが必要になります。

  • 「主要株主」とは、自己又は他人名義をもって総株主等の議決権の10%以上の議決権を有している株主のことを言います。(金融商品取引法第163条1項)

Q6. J-IRISS
「J-IRISS」とは何ですか。 A6. 「J-IRISS」(Japan-Insider Registration & Identification Support System)とは、日本証券業協会が運営する、上場会社の役職員およびその同居者による意図しないインサイダー取引を防ぐためのシステムのことをいいます。2020年1月末現在、東証一部上場会社の9割以上が加入しています。
J-IRISSの詳細につきましては、「その他の活動状況」のページ又は日本証券業協会のHPを御参照ください。

一般的な取引ルール

貿易ルール~インコタームズ(2)

売主の危険負担と費用負担

いかなる単数または複数の輸送手段にも適した規則(1)

【EXW】Ex Works(工場渡し)

【FCA】Free Carrier(運送人渡し)

【CPT】Carriage Paid To(輸送費込)

【CIP】Carriage and Insurance Paid To(輸送費保険料込み)

海上および内陸水路輸送のための規則

【FAS】Free Alongside Ship(船側渡し)

【FOB】Free on Board(本船渡し)

【CFR】Cost and Freight(運賃込)

【CIF】Cost, Insurance and Freight(運賃・保険料込)

いかなる単数または複数の輸送手段にも適した規則(2)

【DAT】Delivered At Tarminal(ターミナル持込渡し)

【DAP】Delivered At Place(仕向地持込渡し)

【DDP】Delivered Duty Paid(関税込持込渡し)

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